【投資信託】難聴の高齢女性に投信販売で信託銀行が全面敗訴

スポンサードリンク

日本の個人金融資産は約1600兆円あり、その8割はシニアが保有しているといわれています。金融業者にとって経済的に裕福なシニア世代はぜひとも投資商品を購入してほしいターゲットであるといえますが、勧誘の行き過ぎに歯止めをかける判例が出ました。難聴の高齢女性に販売した投資商品に関して損賠賠償の請求が全面的に認められたのです。

信託銀行が投信販売の「説明義務違反」で全面敗訴

2013年2月、82歳(事件当時は77歳)で難聴の女性が中央三井信託銀行(現・三井住友信託銀行)より購入した投資信託「中央三井償還条件付株価参照ファンド07−07」で被った損失に関する損害賠償を求めた訴訟において、大阪地裁は原告の賠償請求を全面的に認める判決を言い渡しました。それまで、リスクのある金融商品を販売する金融機関と顧客との裁判で、顧客側が勝訴する事例はきわめてまれでした。しかもこの事例では、過失相殺なしで原告の請求額を認めています。この判決により金融業界には激震が走りました。これ以降、高齢者への投信や株などの販売は、業界全体で自粛する方向となりました。

問題の投資信託はハイリスクなものだった

信託銀行が女性に販売したのは「ノックイン型投資信託」と呼ばれるもので、「ノックインと呼ばれる状態にならない限りは高利回りだが、ノックインがあれば元本を大きく減らしてしまう」という、典型的なハイリスク商品で、しかも満期となるまで解約が自由にできないものでした。株や投資信託などの投資商品を一度も購入したことのない高齢女性への、このようなハイリスク商品の勧誘に合理性は認められませんでした。

2014年から金融機関が自主規制を強化

その後、日本証券業協会は、高齢者に対する投資商品の勧誘に関する自主規制ルールを策定、2014年3月以降で完全実施されています。現在は、75歳以上の高齢者に対する投資商品の勧誘ではハイリスクな商品を「勧誘留意商品」として、慎重な顧客対応をするようになっています。

スポンサードリンク